解体業者選びから解体工事完了までの詳細な流れ【完全版】

ノウハウ
書類で説明している男性

解体工事について詳細な流れまで把握している方は少ないのではないでしょうか。

この記事では、業者選びから工事完了までに発生することを踏まえて詳細な流れをお伝えしています。解体工事の流れの完全版ですので、ご覧いただけると解体工事の全体像を把握できるようになります。

【解体工事前】業者選び

まずは、業者選びからです。解体業者選びで解体工事がスムーズに進むかどうかが決まります。

業者を探して問い合わせ

まずは、業者を選んで問い合わせします。ここでは3社ほど問い合わせするべきです。1社限定で問い合わせするのではなく、同時期に3社ほど探して問い合わせしましょう。

もちろん契約は1社ですが、複数社見比べることで高い安い、対応の良し悪しや相性が分かってきます。

探し方はインターネットで探すことが主流です。すぐに携帯からでも探すことができます。

直接解体業者のホームページを見て問い合わせしても良いですし、一括見積もりサービスを使っても良いでしょう。どちらもメリットデメリットがあるので理解の上で。

家の整理・片付け

業者に問い合わせと同時期に家の整理や片付けも始めておきましょう。少し早いように思うかもしれませんが、家の中で必要なもの、必要でないものをはっきりさせておき、解体時に一緒に処分してほしいことを明確にしておいてください。

現地調査の際に、解体時に一緒に処分してほしいものを伝えるためです。

後々追加費用にならないようにするために事前に伝えておくべきです。業者に伝えることで処分しようと思っていたものが売れるかもしれないことも教えてくれるかもしれません。買取業者も紹介してくれるかもしれません。

現地調査

問い合わせ後、業者による現地調査があります。現地調査には基本立ち合いを求められますが、そうでない場合でも積極的に立ち合いましょう。

現地調査の担当に聞きたいことやわからないことを質問できる絶好の機会です。担当者を通して業者の対応を見られることも業者選びに役立ちます。

見積もり書確認

現地調査が終われば見積もり書の確認です。現地調査の現場で渡されるものではなく、後日メールで送られてくるか郵送で送られてくるでしょう。

見積もり書では、費用の内訳など詳細を確認してください。わからないことは業者に確認しましょう。

この時点ではまだ業者を決定しない方が無難です。施工内容や工期が伸びたときのこと、中断する場合、賠償についての説明などがこの時点までにあれば業者を選べますが、そうでなければ金額以外の契約内容について問い合わせしましょう。

契約(契約書確認)

最後に契約書確認です。工事にかかわることが全て書かれたものを確認してください。また、必要な手続きについても確認しておきましょう。

それらに納得できた業者と契約です。契約しなかった業者には必ず断りの連絡を入れてください。

【解体工事前】契約後の工事着手前手続き

契約後はいよいよ工事着工?と思うかもしれませんが、契約後、着工までには期間があります。それまでにする手続き類をご紹介します。

解体工事の手付金の支払い

契約後は解体業者に手付金の支払いをしなければならない業者が多いでしょう。支払いのタイミングは2回に分けられていることが多く、着工前に手付金と着工後の残金支払いです。詳しくは、「解体業者への支払いのタイミングはいつ?支払い方法もご紹介」をご覧ください。

建設リサイクル法に基づく建設工事の届出

解体工事に必要な手続きのひとつとして「建設リサイクル法に基づく建設工事の届出」があります。着工の7日前までに提出が必要です。

対象は、床面積の合計 80平方メートル以上の解体の場合です。

提出先は、建築物の床面積の大きさによって異なり、大きな建物の場合は「都道府県」に、小さな建物の場合は「市区町村」に提出します。自治体によって条件が異なりますので、業者にまずは聞いてみてください。

発注者である解体を依頼した人が手続きをする必要がありますが、業者に委託することもできるので都道府県か市区町村、どちらに提出するかは知っているでしょう。業者に委託できるかも確認しておきましょう。

ご近所に挨拶

ご近所に挨拶まわりもしておきましょう。解体工事は防音シートやパネル設置しているとはいえ、騒音が発生します。着工日が定まったら迷惑をかけてしまうことを伝えておきましょう。

業者によっては、業者も回ってくれるところがありますが、ご自身でも挨拶しておいた方が良いでしょう。

ガス・電気のインフラ停止

業者から案内はあるはずですが、解体の前にしておかなければならないのが、ガス、電気の停止、撤去です。ガス、電気が通っていたままでは解体できません。

水道に関しては解体工事で水を撒く必要があるのでそのままにしておきます。解体工事が終わったら水道を停止します。

道路使用許可(業者の義務)

道路使用許可の手続きがあります。これは、業者の義務です。管轄の警察署に公道を使用する必要がある場合に申請します。

基本的には発注者が行うことではないので気にする必要はありませんが、万が一業者が申請を怠っている場合にご近所に迷惑をかけてしまうことになるかもしれません。

【解体中】解体工事着手

契約後の手続きも済まし、契約書に明記されている解体工事着工日に解体工事が始まります。解体工事に着工するといってもすぐに重機で家を解体しません。足場の設置、防音やがれきやクズが飛び散らないように防音シートやパネルを設置するところから始まります。

一般的な解体作業の大まかな流れは以下の通りです。

  • 1.足場設置、防音シート・パネルを設置
  • 2.瓦や屋根の撤去作業
  • 3.建物内部を手作業で撤去
  • 4.重機で建物本体の解体
  • 5.廃棄物の運搬・処分
  • 6.足場や養生の撤去
  • 7.地中埋設部撤去
  • 8.重機の搬出
  • 9.コンクリート片・木片の分別撤去
  • 10.整地と清掃

現場が近くであれば工事中の騒音の程度などを確認しに行ってもいいでしょう。近隣に迷惑がかかっていないか確認してみることもいいでしょう。

【解体工事後】解体工事後にやること

解体工事が終わったら何もしなくてもいいわけではありません。手続きなどもあります。

解体工事代金の支払い

解体工事が完了したら工事完了の書類にサインして工事代金の支払いです。

工事代金は完了してから1週間以内など業者によって異なりますが期限を指定されるのでそれまでに支払います。

産業廃棄物管理票(マニフェスト)の確認

マニフェスト票は、解体で出る廃棄物が適正に処理されたかを確認するための書類です。

排出事業者、つまり、解体業者が交付し、収集運搬事業者、最終処分事業者に渡っていき、それぞれ名称を入れられたものを排出事業者に返送される仕組みです。

これで産業廃棄物が最終処分場まで行ったことが分かります。

解体の発注者もこれを確認しておくことをおすすめします。知らずに不法投棄された場合は、発注者に罰則は科せられませんが、巻き込まれないためにも処分されたか確認しておきましょう。

建物滅失登記

建物滅失登記は、不動産を解体したら無くなったことを法務局に登記しなければなりません。発注者であるご自身で法務局に行って手続きをしなければなりません。

建物滅失登記をするためには、解体業者からもらう以下の添付書類が必要ですので、業者に確認をとってもらっておきましょう。

  • 取り毀し証明書(建物取毀証明書)
  • 証明書には取り壊した業者の印鑑証明書(個人の場合は個人の印鑑証明書、会社の場合は会社の印鑑証明書)
    ※会社法人等番号があれば省略
  • 解体業者の代表者の資格証明書
    ※会社法人等番号があれば省略

建物滅失登記をする期限は、建物が滅失した日から1ヶ月以内です。

水道の停止

工事が終了したら水道の停止も忘れずに行いましょう。基本料金がかかったままになります。もう使わなくなったとわかった時点で手続きをしてもいいかもしれません。

近隣への挨拶

最後に工事完了したら近隣への挨拶をしておきましょう。特に隣接しているところには、終わったこととご迷惑をおかけしたことを伝えておきましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

業者選びから工事完了までの流れの完全版です。この流れを踏まえておけばほとんどブレはないでしょう。ある程度、工事前、工事中、工事後のやることを頭に入れておくと慌てずに済みます。また、業者選にも役立つはずです。